三平方の定理、中3の漢字などを除外 来春の都立高入試

朝日新聞

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校が長期化したことを受け、東京都教育委員会は11日、来春の都立高校の入試で出題範囲から除外する内容を公表した。中学校を所管する区市町村教委に通知し、中3の生徒や保護者向けにリーフレットを作成するという。

 除外されるのは、中3の教科書で学習する漢字(国語)▽三平方の定理(数学)▽関係代名詞(英語)など。休校の影響に配慮し、中3の出題範囲を7カ月程度で学習できる分量に絞るための措置だという。除外された内容についても、卒業までに学習するよう求める。

 都内の多くの中学校は、6月から段階的に授業を再開しているが、授業時間の確保が課題になっている。文部科学省は5月、都道府県教委などに対し、出題範囲や内容、出題方法について適切な工夫を講じるよう通知していた。(荻原千明)

9月入学、具体化作業入り 来秋想定、6月にも方向性 政府

時事通信社

 政府は30日、新型コロナウイルス感染拡大による休校長期化を受け、「9月入学」の実現に向け具体的な検討作業に入った。

 来年秋からの制度化を想定。杉田和博官房副長官が関係府省の事務次官を首相官邸に呼び、導入に向けた論点整理を急ぐよう指示した。大型連休明けから検討を本格化させる。

 新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の延長期間が5月末までで終了すれば、検討結果を踏まえ、安倍晋三首相が6月上旬にも方向性を打ち出すことも検討している。

 文部科学省は4月上旬に首相に検討を進めることについて内諾を得ていた。政府関係者によると、首相は9月入学実現に強い意欲を示しているという。

 首相は30日の参院予算委員会で「今後、学校再開に向けた状況を見極めつつ、文科省を中心に、9月入学も含めてさまざまな選択肢を検討していく必要がある」と述べた。

 全国の学校では児童・生徒の感染を予防するため臨時休校が続いている。政府は自宅で学習できるオンライン授業の普及を促しているが、自治体によって取り組みに差があり、学力の「地域格差」拡大が懸念されている。

 感染終息のタイミングによるが、全国一律に9月入学で仕切り直せば、こうした不安を払拭(ふっしょく)できる可能性がある。欧米や中国では9月入学が主流で、留学生の往来がスムーズになるメリットもある。

 一方、国や自治体の会計年度、企業の採用スケジュールなど4月スタートを前提にしてきたシステム全体への影響は大きい。新型コロナウイルス感染で社会全体が混乱する中、こうした大規模な制度改正を同時並行で行う余力があるのかについて懸念する声も出ている。 

「小6・中3・小1」の再開優先を 文科省が要請へ

朝日新聞

 文部科学省は、新型コロナウイルスの感染拡大による学校の休校長期化を受け、休校を続けざるを得ない地域でも分散登校日を設け、その際に小学6年、中学3年、小学1年を優先するよう自治体側に求める方針を固めた。感染リスクが高まる全学年の一斉登校を避けるとともに、卒業や受験を控えた最終学年や、新入生への配慮を求める。

 地域ごとに感染の広がり方も異なるため、授業再開の判断や方法は自治体側に委ねる。政府の専門家会議の報告を踏まえ、1日にも都道府県教育委員会などに通知する指針に盛り込む。

 学校の教室は密閉、密集、密接の「3密」になりやすい。また、休校の長期化で学習の遅れを取り戻すことも課題となっている。このため、文科省は休校を続ける地域でも、人数を絞った数グループの分散登校日を設け、段階的に授業などの教育活動を再開することを推奨。その際、小6、中3、小1を優先するよう求める。

 小6は卒業、中3は受験も控え、休校で足りなくなった授業時間を翌年度に補えないことを考慮した。小1は、幼稚園・保育園を卒園して親離れを始め、学校での集団生活に慣れ始める時期であることや、対面での学習支援が特に求められることを重視した。

 同じ最終学年でも高3には触れないことについて、文科省幹部は、「3密」になりやすい公共交通機関で通う生徒が多いことを理由に挙げ、「国として例示するのは難しい」と述べた。(宮崎亮