9月入学、具体化作業入り 来秋想定、6月にも方向性 政府

時事通信社

 政府は30日、新型コロナウイルス感染拡大による休校長期化を受け、「9月入学」の実現に向け具体的な検討作業に入った。

 来年秋からの制度化を想定。杉田和博官房副長官が関係府省の事務次官を首相官邸に呼び、導入に向けた論点整理を急ぐよう指示した。大型連休明けから検討を本格化させる。

 新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の延長期間が5月末までで終了すれば、検討結果を踏まえ、安倍晋三首相が6月上旬にも方向性を打ち出すことも検討している。

 文部科学省は4月上旬に首相に検討を進めることについて内諾を得ていた。政府関係者によると、首相は9月入学実現に強い意欲を示しているという。

 首相は30日の参院予算委員会で「今後、学校再開に向けた状況を見極めつつ、文科省を中心に、9月入学も含めてさまざまな選択肢を検討していく必要がある」と述べた。

 全国の学校では児童・生徒の感染を予防するため臨時休校が続いている。政府は自宅で学習できるオンライン授業の普及を促しているが、自治体によって取り組みに差があり、学力の「地域格差」拡大が懸念されている。

 感染終息のタイミングによるが、全国一律に9月入学で仕切り直せば、こうした不安を払拭(ふっしょく)できる可能性がある。欧米や中国では9月入学が主流で、留学生の往来がスムーズになるメリットもある。

 一方、国や自治体の会計年度、企業の採用スケジュールなど4月スタートを前提にしてきたシステム全体への影響は大きい。新型コロナウイルス感染で社会全体が混乱する中、こうした大規模な制度改正を同時並行で行う余力があるのかについて懸念する声も出ている。